深い黒の器に、銀の絵具をハケで幾度となく重ね。 ハケが走るごとに生まれる銀の筋は、光を受けるたびに鈍く煌き、黒の面の上をゆるやかな波のように流れます。ハケの運びが刻む表情は器ごとに異なり、手にとった瞬間から、一目で「この器だけのもの」とわかります。
この器の名は「香盃(こうはん)」。 お酒の「香り」を愉しむために、かたちづくられた盃です。
ふっくらと丸みを帯びたボディは、注いだお酒の香りを器の中にやさしく溜め込み、すっと広がる口縁は、飲み口へと香りを導きます。盃を傾けた瞬間、唇が触れる瞬間に鼻をかすめる香りの変化まで味わうのが、この器のある飲み方です。
口径56mm・高さ65mm・内容量70ml・重さ100g。 両手の掌にすっぽりと収まる、ほどよい手ざわり。日本酒はもちろん、香り高い焼酎や梅酒、ブランデーを一口楽しむショットグラスとしても。深い黒はテーブルの上で存在感を引き締め、銀の筋が添える凛とした輝きは、和のしつらえにも、モダンなダイニングにも、自然と馴染みます。
味わうだけでなく、立ち上がる香りまで愉しめる。 一日の終わりの一杯を、少し特別にしてくれる盃です。